断わり方

どこの鈑金屋にもありがちなのが、工場の奥に一台はあるホコリまみれの旧車。

それは大体知り合いから「やってくれ」と言われて「手の空いたときにやるよ」みたいな約束していつまでも終わらないというパターンのやつです。

大体、鈑金屋がレストアに関わるのってこういうところからなんですが、とにかく、終わらないでいつまでも置いてある。

一般の鈑金を普通に受けてたらそうなるんです。

うちも両方受けてたから、レストアの予定がどんどん遅れていきます。

レストアがやりたいのにそれが進まないジレンマ、ここ5年は、一般の鈑金修理も受けてたので、我慢の年月でした。

それより以前から全塗装を積極的に受け入れてましたが、その時からある程度やってみて思うのは、販売目的じゃなく、自分のクルマを今後も長く乗りたいからキレイに直したいという方が多いということです。鈑金屋は数多ありますから、うちの一件くらいは、もう、それ専門で、もっとレストアに寄せていってもいいのではないかと思ってここ5年はやってきました。

しかし付き合いがあるので、一般の鈑金修理も一気には断ることも出来ないですから、ここ5年で、そういう工場にしてってますよーっていうのを周りにアピールしてきました。

とにかく、古くからの付き合いとか近隣の人たちに理解してもらうのが時間かかるわけです。

もうだいぶ、言ってないのに、知り合いにもYouTube見つかったりしてきて、うちがやりたいことの方向性を動画で見ることで理解してもらえるようになってきたので、YouTubeにはそういう効果もあるんだなと改めてその影響力に驚いています。

昨日も、近くに住む社長さんが会社名義のクルマの自損事故が持ち込まれたんですが、もううちもお待たせしてる仕事が多いので断りました。もちろん車両保険もバッチリ入ってますからね、どこに持っていっても問題ない仕事だと思います。

彼にもYouTubeやってるの伝えて、「そんな感じで今レストアやってるからすみません」という断り方ができました。大人も普通にYouTube見る時代になったから説得力があります。

仕事を断るという機嫌を損ねかねないことも、YouTubeで自分の仕事をさらけ出すことで、ちゃんと理解してもらえます。