「勝手に独身かと思っていました」
今朝起きてスマホを見たら、昨日の記事を読んだ方から、こんなような内容のメールが来てました。
まさに昨日の記事の内容、今までブログでプライベートを晒してこなかったからですかね。
あとはあれですよね。個人経営のクルマの修理工場って奥さんを事務員に、っていうのがマストだった時代もありましたからね。今はそうでもないんですが、イメージとしては残ってるのかも。そんななか、うちは事務員がいる気配ないですもんね。
外から来たら事務所って一番手前にあって、そこから工場っていうレイアウトが普通だとしたら、うちは工場の奥に事務仕事する部屋があるから、事務所がそもそもどこにも無いように見えます。外観は工場のみ「おれぁ作業しかしねぇよ」と言わんばかりのスパルタンなレイアウトですからね。
私がこの業界に入った頃って、今言ったように独立するなら結婚してからじゃないと無理みたいな、なんとなくそんな空気があったように思い出されます。
「所帯持ち」というのが社会的信用のひとつになってたんですね。
「どこの馬の骨かわからん独り身のやつに仕事出せない」みたいなね。今じゃ信じられないかもしれないけど実際にそういう風潮はありました。
私は最初から独立するつもりで業界に入ったので、独立は漠然と「結婚してから」という思いがあったような気がします。社会的信用というのもあるにはあるけど、そもそもひとりでは所用で出かけたときに「電話番が居なくなる問題」というのがあったからです。
そうなんです。携帯電話というものは登場していたのですが、あの「しもしも〜」ってお笑いの人（名前出てこん）が持ってるようなやつで、一部のお金持ちしか持てなかったから、固定電話が主体だったんです。
でも、実際は結婚する前に独立してます。誰かと組んで始まったわけでもありません。まったくのひとりっきりで始めてます。
そうなんです。
業界入りから独立するまでの6年間のあいだに携帯電話が一般に普及したんです。
固定電話からの転送サービスもすでにありました。外出してても工場に掛かってきた電話を受けられるから、ひとりで独立ができました。当時は下請けから始まってますから、来客ないですからね、電話だけ繋がればよかったんです。
で、まあ、今となっては、連絡手段は様々あるので電話に固執する必要はなくなりましたけどね。
とにかく、たったひとりで鈑金塗装工場として独立が出来たのは、ひとつ携帯電話のおかげでもあるわけです。
で、その携帯電話も進化を遂げてスマートフォンとなりました。これのおかげで、なんの機材も用意しなくてもYouTube配信が出来る時代です。もちろんたったひとりで。
私は、というか他の人もそうかもしれないけど、なにか事を始めるときにはなんとなくでも、やっていくうちにテーマみたいなものが見えてくると思うんです。その自分なりのテーマを盛りこむことで、事を続けていくモチベーションになったりします。これはひとつとは限りません。いくつかのテーマを盛りこんでいきます。
私がYouTubeで盛りこんでるいくつかのテーマのひとつに「ひとり作業」というものがあります。
ちょっと誰かの手を借りたくなる作業もあるんですが、そもそもひとりなので、ひとりでできる工夫をします。
「この人、ひとりでどうやるんだろ？」的な、そのあたりも見て楽しんでもらえるんじゃないかと思うんですよね。自分でレストアしようとしてるひとの参考にもなるのかなと思いますしね。
もちろん、できない作業は外注でお願いするんですけども。基本ひとりだからひとりとして、外注に出すのもひとりで出すわけです。YouTube見てると仲間でワイワイとクルマやバイクを弄ってるのもあって、それはそれで楽しそうでいいですね。
うちはYouTube動画に「楽しい」は盛り込みません。楽しいのいらん。というか仕事だから楽しくないし。
「楽しくないってクルマの仕事嫌いなの？」いやいや、責任あるから楽しいってことはないですよ。そんなのあたりまえです。どっかで見たけど「仕事は楽しく」とか言ってて、それはもう何言ってんの？としか思わないし、辛いに決まってるだろと。でもね、仕事は、作業は辛くて苦しくて面倒でも、それが仕上がれば、そして、それを喜んでくれるひとがいれば、それは「気持ちいい」ですよ。
だから「楽しい」の代わりに盛りこんでるテーマは「気持ちいい」です。
だってやってる人が楽しくないんだもん、楽しさは盛り込めないですよ。盛りこんだら嘘になるし。
ただ、気持ちいいはあります。それは完成前にもあります。
「この音気持ちいい」とか「この動作気持ちいい」とか、「削れ方が気持ちいい」とか。
その気持ちよさをしっかり盛り込めればなぁと思ってます。
そんな気持ちいい動画を作るべく、撮影しながらハチロクレストア全塗装を行なっております。
