ネオクラシック

今日は、レストアに対するハナブサオートのスタンスについて。

ハナブサオートでやっているレストア、というかレストア全塗装は、最近ではネオクラシックとカテゴライズされるようになった年代のクルマたちが対象になっています。ネオクラですね。いわゆる昭和のクラシックカーではなく、平成ひとけた年代のクルマたちです。

これがそろそろ平成10年代のクルマたちがレストア全塗装の対象になってくると思います。私は勝手にネオクラ後期と言ってます。

さて、ハナブサオートのレストア全塗装に対するスタンスですが、予算が『50万円から150万円』このくらいの枠で仕上げられるものに、できれば限りたいと思っています。できれば、です。これはもちろんボディワークに関してです。

脱着で要交換となる部品代も含めてこのくらいの予算枠で仕上げられるのは、現在だと、ネオクラ後期のクルマたちになってきます。平成ひとけた世代のネオクラだと製廃で部品が無かったり、あっても値段が馬鹿みたいに跳ね上がってたりするので、この枠は若干出てしまうかもしれません。100万円の幅があるのは、ボディ外側だけの塗装で済む場合と、ドンガラにしてフロア、ドア開口からエンジンルームまで塗装するか、下廻りまで塗装するかとか、あとは錆の程度の違いもある程度見越しての、そういった幅です。

レストアは掛けようと思えばいくらでも費用が掛かります。それこそクラシックカーになったら、ショップに頼めば桁がひとつ変わってくるかもしれません。しかも、それだけたいそうな予算を掛けてもクラシックカーは普段使いが出来ないクルマです。

私は普段使いも出来るクルマを50万〜150万円の枠内で仕上げたいんですよね。

まず、基本、この予算枠ありきで考えてますから、クラシックカーのレストアは対象外になります。で、この予算枠で済ませられるにはどうやったらいいか考えました。大型サンドブラストを作ったのもこのためです。パーツの錆取りなど作業の効率化を図るためですよね。予算ありきで考えてますから、作業効率上げなきゃならない。

ピース工法を考えたのもそうです。腐りが出るところっていうのはパネルが重なっているところですから、そこだけを切り貼りすればいいわけで、広い面積を大袈裟に直さなくてもいいんです。狭い範囲で、奥行きに対してアプローチしていけば腐りは直せるんです。効果のあることをして余計なことはしない、きっちりやることはやりますが、やらなくていいことはやらない、そうやって予算を抑えつつちゃんと利益も出るように努力をしています。

前にネットで見たんですけど、ネオクラ世代のクルマをドンガラにしてウェットブラスト掛けて、電着どぶ漬けして仕上げるというのがありました。インパクトあるので企画ものとしてはおもしろいかもしれませんが、仕事で受けるにはあまりにも余計な予算をかけすぎてると思います。ネオクラ世代のクルマの新車時の電着は残ってるとこ落とす必要なんてないんですよね。余計なことはしない方が予算を抑えられます。

納屋に長年眠ったままのサビだらけの、床もぶち抜けてるような昭和の旧車を引っ張り出してきて、部品集めてそれをフルレストア。みたいなものははっきり言って仕事になりません。私が考える予算ありきのレストア全塗装では利益を出すのがまず無理です。そういうものは趣味でやるものです。

私がレストア全塗装対象として、なんとか仕事としても成立させられると考えてるものは、50万円〜150万円の予算枠で仕上げられるネオクラ世代のクルマたちです。もちろん追加オーダー内容によってはこの枠に収まらないこともありますが、引き受けても大丈夫だと想定している基本予算はそのあたりの額で仕上げることが可能なクルマたちである、ということです。