薄鋼板の溶接

ハチロクは、錆の侵食がある部分を切り取って、そこにボンデ鋼板から作ったピースを付けていくということをやっております。f:id:hanabusaauto:20200724072833j:image

クルマのボディというものは薄鋼板の組み合わせ、それの集合体ですから、ある意味、折り紙みたいなものです。一枚一枚はペラペラですが、折って組み合わせることで強度を出しています。

切り貼り修理をするときに気をつけなければならないのは、溶接の熱による歪みです。ここで外板に使っている鋼板は0.8ミリ厚なので、溶接の熱の伸縮によって、すぐにベコベコに変形してしまいます。

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一気に溶接してしまうと、収集つかないほどに歪んでしまいますので、点付けでちょっとずつ溶接していきます。しかし、このあとビードを削らなければなりませんから、その溶接は裏面までしっかり溶け込んだ溶接でなければなりません。歪みを恐れて弱い溶接ではいけませんから、ここは微妙なさじ加減が必要になります。あとは先に言ったように、折って組み合わせることで薄鋼板は強度が出ますから、それは溶接の歪みに対しても同じようなことが言えて、そういった「折れ」の部分も利用して、これは溶接の前の段階、切り取る線を、折れのところにもってくるなどして、その後の溶接を歪みにくくするということもしています。

とにかく、薄鋼板の溶接は歪みによくよく気をつけるということです。