レストア

うちはレストアをやっていますが、それまでのレストアとはちょっと違うんですよね。

もともと価値のある、いわゆるクラシックカー。普段は乗らないクルマのレストアをするような、例えば雑誌オールドタイマーに出てくるような工場ではないです。

なぜそうなったかというと、よし!レストアをやろう!といって始めたからではないからです。

18年前にディーラーの下請けをやめて、直需客獲得のためにホームページを作ったという話はしました。そのときに、他の同業者のホームページなども見て参考にしたりするんですが、その中で「全塗装」というものが直需客獲得にはよさそうだというのを知り、積極的に全塗装を受け入れ始めました。

全塗装を格安でやるようになって、それなりに入庫いただけるようになったんですが、お客さんはただの全塗装から、「今後も長く乗りたいからしっかり直したい」というレストア寄りの要望が増えていったんです。

そこからだんだんと作業内容がレストアに引き寄せられてきたので、自分の技術もそこに見合うよう自然に訓練されてきました。

広い面積のパネルを作るようなものではなく、小さなピースを作って奥行きにいくという独特のものになっていったのもそうだし、防錆に対してもそのやり方は独特です。

お客さんはずっと乗り続けていますから、不具合があれば言ってくれますし、そこで現実の耐久性も見ることができます。

だから、海外のレストア番組にあるような、納屋に数年眠った穴あきボロボロのクルマを引っ張り出してきてキレイに直すということが、仕事としていかに非現実的かというのを知ってますし、耐久性は?とか思います。普段使いも出来るクルマを仕上げるということをやってる立場からすると、そういったレストア番組には違和感だらけなんですね。

おそらく、穴あきボロボロのクルマが直っていくほうが人の興味は引くとは思いますが、そうでは無いのが現実の仕事で、仕上げて終わりじゃないんです。

だから、余計にその作業は地味なんです。

その地味作業をどうやったら見てもらえるか、考えながら動画編集して、今日は今年一発目の動画を夜出します。(時間はまだ未定)

よろしくです。