パネルピース

なぜにピースで補修するのかといえば、もちろんパネルが製造廃止になって出ないから、という理由もありますが、ほんとうの意味は奥行きへのアプローチにあります。

錆が出るのは鉄で出来ている以上しかたがない部分がありますが、その錆が進んで腐りになるとこれはボディ剛性に影響してきますから、それはなんとかしておきたいものです。

腐りになるのは主にパネル同士が重なる部分です。そういった部分はなんらかの影響で水気が入ったとして、それが抜けにくいというのがあります。水気が入ってもすぐに抜けていけば、そうそう腐るものではありません。

つまり、切り貼り修理が必要になるのって、パネルがなにかと接触してたり、パネル同士が重なってる場所なんです。なにもない1枚もののパネル部分が腐って穴が空くとすれば、それはもう他の部分は形なく朽ち果てているでしょう。

つまり、クルマの形としてある場合、腐っているのはパネルの重なっている部分で、それを直していこうと思ったら、広い面積ではなく、奥行きへ対してのアプローチになるんです。

パネルを面積広く、例えばドアパネルのアウターをまるまる作るっていう事例は仕事ではほぼ無くて、ビームと接触している一部分だったり、アウターとインナーを繋ぐ折り返し部分だったりっていうのが腐るポイントですから、そういったところにピースを当てていくんです。

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ハチロクは今、防錆処理をしながら作ったピースでルーフからピラーにかけて作業しています。